グルタミンはアミノ酸のひとつです。
体を構成するための材料になる栄養素の「タンパク質」は20種類のアミノ酸から作られています。つまり体づくりのための栄養素の、最小単位がアミノ酸と言えます。
アミノ酸はさらに3つに分けることができます。

一つ目が「非必須アミノ酸」で、体内で合成できるアミノ酸を指します。非必須アミノ酸は、アミノ酸を摂取することを意識しなくても、自然と体内で作ることができます。

二つ目が、「必須アミノ酸」です。必須アミノ酸は体内で合成できないアミノ酸です。必須アミノ酸がないとタンパク質を合成できず体づくりができません。そのため肉や魚などの食べ物や、サプリメントから摂取する必要があります。イソロイシン、ロイシン、リシン、バリンなど、BCAAを構成するアミノ酸も必須アミノ酸になります。最近注目を集めているEAAにも必須アミノ酸がすべて入っているタイプのものが登場しています。

三つ目が「条件付き必須アミノ酸」と呼ばれるものです。条件付き非必須アミノ酸は、非必須アミノ酸なので、体内で合成することができます。しかし、体づくりの材料や、ストレス解消などのために、使用される率が高いという特徴があります。自然に任せていると「不足気味」になることが多いアミノ酸のため、必須アミノ酸のようにタンパク質が豊富な食事を食べるよう気をつけたり、サプリメントを摂取することが大切になります。グルタミンはこの条件付き非必須アミノ酸のひとつになります。

グルタミンはアミノ酸のひとつなので、タンパク質を合成するために使われ、体づくりのために役立ちます。
タンパク質を作るためには20種類のすべてのアミノ酸がそろっている必要があります。そのためグルタミンの量が足りないと、他のアミノ酸がどれだけあっても、タンパク質を作れず、体づくりができません。

特にグルタミンは「筋肉を守る」働きをすると言われています。筋肉は有酸素運動をしたり、栄養が足りないと分解されていくのですが、グルタミンが体内に必要量あると、筋肉の分解を防いでくれます。せっかく筋トレをしたのに、すぐに筋肉が分解してしまったら、体づくりが思うように進みません。グルタミンが足りないと筋肉の分解が進みやすい「カタボリック状態」になることを知っておきましょう。

またグルタミンは「ストレス解消」に役立つといわれています。何か嫌なことがあったり、怖い経験をすると、体はストレスにさらされます。そんな時、グルタミンがストレスに対抗するためのエネルギーに変化します。この時、筋肉が分解されて、グルタミンがエネルギーに変わるため、カタボリックな状態になります。

グルタミンが枯渇した状態でストレスにさらされると、筋肉が分解されてしまいます。ストレスが多い職場などで仕事をしていると、ストレスに対抗するためグルタミンがどんどん使われます。同時に筋肉が分解されてしまうため、日頃からストレスを感じている人は、グルタミンが不足しないようサプリなどで摂取しましょう。

グルタミンの役割は先述した通り、「筋肉の分解を防ぐこと」「ストレスに対抗すること」です。
そのため、グルタミンを摂取するタイミングは、筋肉の分解が起こってほしくない時、またストレスを感じやすい時になります。
例えば筋トレをした後は、筋肉の分解が起こってほしくないタイミングになります。激しい運動は筋肉を合成する合図にもなりますが、同時に筋肉の分解を促す合図にもなるためです。
そこで、トレーニング直後にグルタミンのサプリメントを摂取しましょう。グルタミンはプロテインと違い、消化に時間がかかりません（プロテインは摂取後、消化まで1時間程度かかります）。

飲めばすぐに吸収されて、カタボリックを防いでくれるというメリットがあります。また「今日はストレスがかかる仕事をする必要がある」という日は、いつもよりも多くグルタミンを摂取するようにしましょう。血中に十分な量のグルタミンがあれば、ストレスに対抗するために、体がグルタミンを必要としたとしても、筋肉を分解する必要がなくなるためです。筋肉の分解を起こすことなく、ストレスに負けず、バリバリ仕事をこなせるかもしれません。

グルタミンの一日の摂取量の目安は、20gから30gとされています。
一日の食事からどの程度グルタミンを摂取できるか、プロテインを飲んでいる人は、プロテイン内に含まれるグルタミンの量も計算したうえで、足りない分をサプリから摂取するといいでしょう。